愛犬の初期学習と生涯学習

犬も人間と同じく、生きている間にいろいろなことを学びますが、これは「初期学習」と「生涯学習」に大別されます。
初期学習は、主として社会化期で犬語を覚えたり、人間や猫など犬以外の動物に慣れることを指します。
初期学習は、生後3週目から12週目の間に行わなければなりません。
まず、犬語とは、犬と犬との間におけるボディランゲージのことです。

例えば尻尾を振ったり、相手を噛む際の力加減、従う姿勢、支配する姿勢などが挙げられます。
基本的には、犬同士で遊ばせることによって学んでいくので、飼い主が介入する必要はありません。
むしろ、人間が間に入らないほうがよいでしょう。
次に、犬以外の動物に慣れることを「馴化」と呼びますが、これについてはある研究で注目すべき結果が報告されています。

実験用の広い敷地で、犬の群れを自然繁殖させたところ、人間と接することなく生後14週目まで過ごした犬は、それから何をしても人間に慣れることはありませんでした。
そのため、馴化をさせるには、生後14週目までに接触しておく必要があるということです。
一方、生涯学習は、生後13週目から14週目以降で課題行動を覚えさせたり、問題行動を直したりすることを指します。
修了時期は明確化されていないので、生涯続くことになります。

まず、課題行動とは、人間と一緒に生活していくうえで必須となる行動を指します。
これは、「一戸建てで飼う、もしくは集合住宅で飼う」「1頭だけ飼う、もしくは多頭飼い」といった条件によって内容は異なってきます。

次に、問題行動とは、一般的に飼い主から見て好ましくない行動のことです。
専門家によると、「飼い主が看過できない行動」「動物自身に害のある行動」のどちらかとされています。
しかし、この定義に従うと理論的には無限にあることになりますが、強いて言うなら、「無駄吠え」「噛み癖」「飛び付き癖」「拾い食い」「トイレの失敗」「うなり癖」などが挙げられます。