愛犬の学習パターンについて

犬の学習とは、生まれてから物事や行動を覚えること、そしてその内容を指します。
社会化期に犬同士で遊んで学んだことや、社会化期の後に飼い主からのしつけを通じて学んだことの大半は、後述する学習パターンを介して犬の頭の中に溜め込まれていきます。
学習パターンは、「古典的条件付け」と「オペラント条件付け」に大別されます。
これは、快の感情と不快の感情が特定の行動と結び付けられることで、行動様式が変わることを指します。

ちなみに、昨今においては、犬や人間の行動を真似させる「模倣学習」をしつけとして行うべきかどうかということも検討されています。
ではまず、古典的条件付けですが、これはある二つの刺激を脳内で結び付けるよう学習させることを指します。
例えば、生理的反応を生じさせないような刺激(中性刺激といいます)を与えてから、生理的反応を生じるような刺激(無条件刺激といいます)を与え続けると、次第に中性刺激のみで生理的反応が起こるようになるのです。

例えば、「ベルを鳴らす」「その後に餌を与える」ということをすると、ベルを鳴らしただけでよだれが出るようになります。
この例では、最初のものは何ら反応を生じさせない刺激であるにもかかわらず、続けて生理的反応を生じさせる刺激を与えることによって、何らかの反応を生じる引き金に変化しています。
これが、古典的条件付けです。
次に、オペラント条件付けとは、行動とその結果の関連性を覚えさせることです。
ある行動をとると自分にとってよいことが起きるといった場合、積極的にその行動をとるようになります。

例えば、お手をしたらおやつが貰えるなど。
反対に、ある行動をとると自分にとって悪いことが起きるといった場合、その行動をとらなくなります。
例えば、テーブルの上に乗ったら怒鳴ることで、乗らないようになるなど。
これらは、行動の頻度を変えることが目的ですが、ご褒美や罰が欠かせないという点が、古典的条件付けとは違う所です。